こんにちは!カメラマンの長谷川です。
っと思っていませんか?
今回、多彩な機能が搭載されている「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を使ってみました。
今まで使ったことがある画像編集ソフトは、「Luminar 3」「Luminar 4」「Luminar AI」「Lightroom」や「Photoshop」「PhotoDirector」「Zoner Photo Studio X」「Aurora HDR 2019」など、10コ以上。
- 写真を合成することが多い
- 夜景・星空の写真を撮ることが多く、ノイズに悩んでいる
- ネガフィルムをポジに変換して編集したい
- 写真を印刷する機会が多い人
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SILKYPIX Developer Studio Pro10とは
「SILKYPIX Developer Studio Pro10」は、市川ソフトラボラトリーが作った純国産のRAW現像ソフト。偽色や色ノイズなどデジタルカメラ特有のデメリットを抑制して、絹のような滑らかで自然な映像(SILKYPIX)を目指しているソフトです。
市川ソフトラボラトリーは1988年に設立、その後2004年に最初の「SILKYPIX」が発売。長い歴史のあるRAW現像ソフトです。また、2020年11月30日に発表された「デジタルカメラグランプリ2020」の「RAW現像ソフト部門」で「金賞」を受賞 。
多くの写真家や評論家、販売店の方に認められています。
SILKYPIXの種類と価格
SILKYPIXには3つのシリーズがあります。
- SILKYPIX Developer Studio Pro10
- SILKYPIX Developer Studio 10
- SILKYPIX JPEG Photography 10
それぞれの価格と機能の違いを、ザックリ一覧表にしました。
Developer Studio Pro10 | Developer Studio 10 | JPEG Photography 10 | |
---|---|---|---|
製品の位置づけ | プロフェッショナル版 | スタンダード版 | JPEG専用版 |
ダウンロード版 販売価格 | ¥22,000 | ¥13,200 | ¥5,500 |
パッケージ版 販売価格 | ¥28,050 | – | – |
RAWデータの現像 | 〇 | 〇 | – |
メーカープリセット | 〇 | 〇 | 〇 |
露出補正(スライダー) | 〇 | 〇 | 〇 |
HDR | 〇 | 〇 | 〇 |
色温度 | 〇 | 〇 | 〇 |
かすみ除去 | 〇 | – | 〇 |
多重露光 | 〇 | – | 〇 |
多重露光(夜景) | 〇 | – | 〇 |
比較明 | 〇 | – | 〇 |
動体除去 | 〇 | – | 〇 |
ストロボモーション | 〇 | – | 〇 |
被写界深度合成 | 〇 | – | 〇 |
美肌処理 | 〇 | – | 〇 |
円形補正フィルター | 〇 | – | 〇 |
周辺ぼかし・シャープ | 〇 | – | 〇 |
現像予約 | 〇 | 〇 | 〇 |
一括現像 | 〇 | 〇 | 〇 |
簡単にまとめると、
- 「SILKYPIX Developer Studio Pro10(プロフェッショナル版)」はすべての機能が使える。
- 「SILKYPIX Developer Studio 10(スタンダード版)」は、基本的は調整は可能。合成機能はない。
- 「JPEG Photography 10」は、JPEGのみ調整可能。機能は「SILKYPIX Developer Studio Pro10」とほぼ同じ。
といった感じです。
SILKYPIX Developer Studio Pro10の4つの魅力
では次は、SILKYPIX Developer Studio Pro10の4つの魅力をお伝えします。
- 合成機能が充実
- ノイズ低減に強い
- プリセットテイスト 56個追加
- ユニークなツール「ネガフィルム反転ツール」が便利
1:合成機能が充実
SILKYPIX Developer Studio Pro10には、合成機能が6つあります。
- 多重露光
- 多重露光(夜景)
- 比較明
- 動体除去
- ストロボモーション
- 被写界深度合成
どの合成機能も使い方はシンプルで、「複数枚選択してツールで合成」といった流れで合成が可能。このSILKYPIX Developer Studio Pro10の合成機能で、便利だと感じたのは次の2点。
- RAWまま合成・保存ができる
- 「手持ち撮影時の位置ずれを補正する」機能も搭載
SILKYPIX Developer Studio Pro10ではRAWのままを合成を行い、合成後のデータをRAW(DNG)のまま保存できます。なので 合成後に、「明るさ」や「色温度」などの調整を加えても劣化を抑えながら調整が可能。
また「手持ち撮影時の位置ずれを補正する」が搭載されていることも魅力です。
手持ち撮影しで、少し構図がずれてしまったとしてもSILKYPIX Developer Studio Pro10が位置ずれを補正してくれます。
位置ずれ補正機能がないソフト(Photoshop など)で位置ズレを補正するためには、手動で位置を直す必要があります。
2,3枚程度であれば手動で位置を補正することも可能ですが、5枚以上など枚数が多くなると手動で直すのは結構な労力になってしまいます。
SILKYPIX Developer Studio Pro10の「手持ち撮影時の位置ずれを補正する機能」を使えば、自動で位置を修正してくれます。
6つの合成機能の解説
6つの合成機能について簡単に解説します。
多重露光
「多重露光」は複数枚の写真を重ねる機能。同じシーン(アングル)の写真を重ねると、ノイズリダクションを行うよりも高諧調の写真に仕上げることが可能。
また、重ねる写真が多いほど、より高諧調になります。
多重露光(夜景)
「多重露光(夜景)」は、ノイズ除去や彩度、黒レベルを重視した合成ができる機能。複数枚を合成することで、キレイな夜景写真に仕上げることができます。
またオプションで「黒浮き補正」も可能。「黒浮き」とは、暗い部分が真っ黒にならず灰色っぽく見えるです。「黒浮き補正」では、黒い部分の合成をコントロールでできます。
比較明
「比較明」は、写真の明るい部分を優先して合成する機能。例えば、夜景や星の軌跡、ホタルなどを写真に使われることが多いです。
動体除去合成
「動体除去合成」は、動きのある被写体を除去して合成を行なってくれます。例えば、人通りの多い場所でも、複数枚の写真を合成することで無人の写真に仕上げることができます。
ストロボモーション
「ストロボモーション」は、動きのある被写体を残して合成してくれる機能。「飛んでいる鳥」や「投げたボール」、「飛行機が離陸する瞬間」などで使うと楽しいかも。
被写界深度合成
「被写界深度合成」では、ピント位置が異なる写真を複数枚合成することで、手前から奥までピントが合っている被写界深度の深い写真に仕上げることができます。
なので、レンズの最大絞りよりも深い被写界深度の写真にすることができます。
2:ノイズ低減に強い
SILKYPIX Developer Studio Pro10はノイズ低減にも力を入れているソフトです。ノイズ低減を行う方法は2つ。
- 多重露光(夜景)
- ファインディテール
多重露光(夜景)
1つが上記で解説した合成の「多重露光(夜景)」 を使うこと。SILKYPIX Developer Studio Pro10の多重露光(夜景)を使うと、ノイズを低減させることができます。
実際に使ってみた結果がこちらです。
「画面左上の背景」や、「左下のレンズ」の曲線を見比べるとわかりやすかも!
通常1枚
多重露光(夜景)で5枚重ね
ノイズがかなり軽減されてます。使い方も簡単で、
- 同じアングルで写真を数枚撮る
- SILKYPIX Developer Studio Pro10で多重露光(夜景)を行う
の2ステップ。これだけで滑らかな階調を表現できます!
ファインディテール
ファインディテールも便利な機能です。ファインディティールとは、「ノイズリダクション」機能に追加されたモード。
従来のノイズリダクションより、細部の描写やシャープ感を維持しながらノイズ除去が可能。 多重露光(夜景)は数枚の写真が必要ですが、ファインディテールは一枚の写真で編集が可能です。
ファインディテールも結構ノイズを除去してくれます。
ノイズリダクションなし
ファインディティール
こちらもやり方は簡単で、
- 画面右下にあるノイズリダクションの「モード」を「ファインディテール」に変更する
- 「偽色抑制」「フリンジ除去」「ノイズ除去」などの項目で微調整
という流れで行います。
手軽さで言えばファインディテールの方がおすすめです!
もし大きいサイズに印刷するのであれば、
- 撮影時は複数枚、撮影しておく
- 多重露光(夜景)を試す
- それでもノイズが気になるようならファインディテールを試す
という流れがよろしいと思います!
3:全67種類のオリジナルテイスト
SILKYPIX Developer Studio Pro10には、全部で67個のオリジナルテイストが用意されています。
テイストとは、「フィルター」や「プリセット」のようなもので、「選択」するだけで写真の印象を大きく変えることが可能。
いくつか紹介します。
シネマフィルム
シネフィルムは、映画のワンシーンのような仕上がりになるテイストです。
スウィートライト・ノスタルジックトイカメラ・銀残し
「スウィートライト」は、優しい光で演出できるテイスト。
「ノスタルジックトイカメラ」は、トイカメラ風に仕上がるテイスト
「銀残し」は、銀塩フィルムや印画紙の現像技術である「銀残し」の雰囲気に仕上がるテイスト。
デジタルクロスプロセス
「デジタルクロスプロセス」は、非現実的な色彩になるテイスト。
ポートレートエフェクト
「ポートレート」は、人物写真向けのテイスト。 「退色(たいしょく)」は、彩度を落として写真全体の色調にまとまりを出すテイスト。
テイストを適応した後も、明るさや色味などの微調整が可能です!
4:ユニークなツール「ネガフィルム反転ツール」
個人的に面白いツールだなと思ったのが、この「ネガフィルム反転ツール」。「ネガフィルム反転ツール」とは、ネガフィルムをポジフィルムに変換できるツールです。
使い方は簡単で、
- ネガフィルム反転ツールを選択
- 未露光の部分をクリック
で、ポジフィルムに変換してくれます。
また、このポジフィルムに変換後、各種項目で調整することも可能。「露出」「色」など、SILKYPIX Developer Studio Pro10に搭載されている調整項目が使えます。
このツールとデジタルデータ化できるアダプターを使えば、「ネガフィルムをデジタル化→ポジフィルムに変換」が簡単にできます!
SILKYPIX Developer Studio Pro10の操作感
各項目、「プリセット」と「詳細設定」の両方が用意されているで、使い分けが可能。例えば「色温度」の場合、プリセットで「Auto」「昼光」「蛍光灯」など19コのプリセットが用意されています。
このプリセットを選択すれば、簡単に色温度の設定を変えることができます。
マウスオーバーでプレビュー表示してくれるのも嬉しいポイント!
また、色温度のアイコンを選択すると、画面右下にホワイトバランスのパネルが表示されます。
このパネルで、「色温度」や「色偏差」などをスライダーで調整することも可能。
- 簡単に早く調整したい時はプリセットで調整。
- 細かく調整したい時は各パネル内で調整。
といった使い分けも可能。
純国産RAW現像ソフトなので、日本人向けのインターフェース。
(比較:LightroomやLuminar AI)
また「印刷」セクションも用意されています。
「印刷」セクションでは、
- 余白の調整
- 枠の調整
- 日付焼き込み
- タイトル
などを、プレビューを確認しながら印刷の設定が可能。また「日付焼き込み」「タイトル」は、
- フォントの種類
- 文字色
- 縁取り
- 位置の微調整
といった詳細の設定もできます。
プレビューを確認しながら各種設定ができるので、写真を印刷する機会が多い人はとても助かる機能かと思います。
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画像編集ソフトを探している方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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